政策研究ネットワーク山形(ブログ版)

組織の垣根や立場の違いを乗り越え、山形の人と知をつなぐ

【開催日変更】第2回ミーティング開催のお知らせ「福井地裁の大飯原発運転差止判決と原発廃炉の行方」

26年度第2回ミーティングを「福井地裁大飯原発運転差止判決と原発廃炉の行方」をテーマとして開催することになりました。ミーティングでは、県内で当該テーマをリードする活動をされている方を招いて講演を聴き、その後、ワールドカフェ形式で講師と会員、会員間で議論と交流を行います。

画期的な判決

関西電力大飯原発

大飯原発運転差し止め訴訟は、関西電力大飯原発3・4号機(福井県おおい町)の再稼働は危険だとして、同県をはじめとする22都道府県の住民計189人が運転差し止めを求めた訴訟です。2014年5月21日、福井地裁は、「冷却や放射性物質の閉じ込めに欠陥がある」「運転により人格権が侵害される危険がある」などと指摘し、再稼働を認めない判決を出しました。2011年の福島第一原発の事故後、原発の運転差し止めを命じる判決は初めてのことです。

判決では、原子力発電所について「電気の生産という社会的には重要な機能を営むもの」とその必要性を認める一方、「原子力発電所の稼動は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由(憲法22条1項)に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである」とするなど、原告側および脱原発派からは画期的な判決として受けとめられました。

これに対して、関西電力は判決を不服として名古屋高裁金沢支部にすでに控訴しています。関電は、現在進む原子力規制委員会の安全審査に適合し、地元同意などの条件が整えば、控訴審判決の前でも再稼働を進める考えを示しています。

再稼働派がとりわけ問題にしているのは、「少なくともかような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば、その差止めが認められるのは当然である」という判断です。これは「ゼロリスク」でなければ認めないと言っているに等しく、「安全のための工学」を全面的に否定しているとして批判しています。

新聞社説も評価二分

この判決については、新聞各紙でも評価が真っ二つに分かれており、読売、日経、産経の3紙が、百パーセントの安全を求めるのは「非現実的」などと厳しく批判したのに対し、朝日、毎日、東京の3紙が、国民の命を守る判決だと称賛しています。

山形では、吉村美栄子県知事が滋賀県の嘉田知事とともに「卒原発」を共同宣言するなど、原発依存からの脱却と代替エネルギーへの転換を進めようとしています。そこで、政策研第2回ミーティングでは、元山形新聞論説委員・前荘銀総研理事長である石川敬義会員に大飯原発再稼働訴訟判決と批判を読み解いていただき、その後、会員間で議論をおこない、今後のエネルギー政策についての理解を深めたいと思います。

第2回ミーティングのご案内

石川敬義会員
  • テーマ:福井地裁大飯原発運転差止判決と原発廃炉の行方
  • 日時:2014年8月24日(日)13時30分より
    日時:2014年9月6日(土)13時30分より
  • 場所:文翔館第2会議室(正面入口から入り階段を上り、旧政庁の右隣の部屋)
    山形県山形市旅篭町3-4-51、TEL 023-635-5500
  • 駐車場:同館北の道路を挟んで反対側にあり
  • 講師:石川敬義・元山形新聞論説委員・前荘銀総研理事長(本会会員)
    (※講師謝金は発生しません。)
  • 会費:無料(お茶菓子などのご提供は大歓迎!)

ご関心のある方は是非ともご参会ください。非会員の方も会員登録(無料)いただければ参加することができます!

参考リンク