政策研究ネットワーク山形(ブログ版)

組織の垣根や立場の違いを乗り越え、山形の人と知をつなぐ

「山形市を中心とした山形県内自治体の人口ビジョンと総合戦略の検証」第2回勉強会(11月26日)のお知らせ

政策研究ネットワーク山形では、「山形市を中心とした山形県内自治体の人口ビジョンと総合戦略の検証」を今年度の研究テーマとして、現場レベルの声に耳を傾けながら、検証を行い、政治・行政関係者を中心に提言を行います。

第2回勉強会を11月26日(土)に開催することになりましたので、お知らせします。会場は、山形大学小白川キャンパスです。どなたでも参加可能ですので、ご関心のある方は、ぜひともご参加ください。

seisakunet.hateblo.jp

第2回勉強会のお知らせ

第2回勉強会では、第1回勉強会で挙がった下記の論点を具体的に検討するために、下記会員より、15分程度、それぞれの現場から客観的なデータをご提示いただきます。その上で、参加者の間で、立場や党派を離れて、データと経験知に基づく議論を行いたいと思います。

  • 日時:11月26日(土)13時30分~16時00分
  • 場所:山形大学人文学部棟1号館2階25演習室(駐車場あり。場所が分からない方は、正門横の守衛室でお尋ねください)
  • 報告者(タイトルは仮):
    • 梅津庸成会員「国政における地方創生の〈いま〉」
    • 小野仁会員「山形市における地方創生の〈いま〉」
    • 草苅裕介会員「農業における地方創生の〈いま〉」
  • facebookページ https://www.facebook.com/events/311660489212177/

※ご参加頂ける方は、11月24日までに事務局までご連絡ください(facebookアカウントをお持ちの方は、上記Facebookページでも参加申し込みを受け付けています)。

 第1回勉強会のまとめ

9月3日、「山形市を中心とした山形県内自治体の人口ビジョンと総合戦略の検証」第1回勉強会が開催されました。

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各方面から22名の方が集まり、それぞれの視点から活発な議論が交わされました。第一回はキックオフということで、人口ビジョンと総合戦略の全体像と課題を把握することが狙いでしたが、各参加者から活発なご発言が相次ぎ、今後の議論の方向性もさまざまに示唆されました。ある程度、共通理解の得られた主な論点のみを簡単に整理すると以下の通りです。

まず、現下の地方創生事業は、(バラマキに終始するのではなく、選択と集中を促すという点では)これまでと異なるものの、国と地方の枠組みを変える仕掛けはなく、その点で、従来の交付金事業と変わりはないのではないか、との指摘がさまざまになされました。

したがって、地方創生事業が人の大きな流れを変えるだけのポテンシャルを持ちうるものなのかという点からの検証が必要です(東根市や天童市の人口増も、東根以北からの人口流出という社会的条件が背景にあって生まれているのであって、政策そのものが人口増の直接的な原因ではないとの意見もありました)。

そのなかで、山形市は、人口30万人ビジョンを掲げています。上記の点から、その実現に向けての課題(場合によっては、実現可能性そのもの)を明らかにするとともに、都市計画や土地利用計画との整合性や財政の自立性、他の市町・県との関係なども考える必要があります。

さらには、従来の都市計画に典型的に見られるように「上から」空間をゾーニングすることで都市を発展させるスキームの限界も指摘されました。空き地や空き家が増えていく今日の歯抜け型の都市空間を前提にした新たな都市計画が必要とされています。

実際に、そうした空間を共同利用の場として位置づけ、そこから自立的な社会経済活動を生み出そうとする人びとに対して、行政が支援・補助するといった「下からの」政策も行われています鶴岡市の取り組みなど)。